湯治柳屋

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ご挨拶

ご挨拶

 

時が巡り、縁が結ばれ・・・

サリーガーデンの宿「湯治 柳屋」オープンの運びとなりました。

 

別府鉄輪の宿が後継者を探しているとご紹介いただいたのは、もう三年半前のことになります。その時私は、「二十四時間、気を張る仕事なんて私には向いていません。それに喫茶店の仕事しか知らないのに、宿の仕事なんてできません。」と、お答えしました。それでも何度も「宿の仕事は良いものだから」「ともかくご挨拶だけは行くように」と諭されて、「一度だけ」とそこを訪ねていくことになりました。

女将さんのお話からは、宿への深い愛情がひしひしと伝ってきました。そして、粘り強い努力で宿の歴史を作ってこられたことに畏敬の念がわきました。しかし女将さんの私に対する感情は頑なものにみえ、この宿を譲る気になるとは、とても思えませんでした。

ご紹介くださった方に率直な感想を伝えると「挨拶したならそれでいい。いつか縁があるから」とおっしゃったきり、もう二度とその話題が出ることはありませんでした。拍子抜けした私が、また別の方に「とても縁がありそうもないのに」とこぼすと、「今じゃないかもしれないけど、また時がやってくるから」と言われ、そのままその宿の話は終わりとなりました。

不思議なことにそれから私の中に「宿の仕事をしてみたい」という気持ちが芽生え、時間が経つごとにその思いが膨らんできました。「サリーのおもてなしの心でお客様をお迎えする宿を作りたい」と真剣に思い描くようになりましたが、これぞという場所にはなかなか出会えないまま、時間が流れていきました。

 

再び、この宿の後継のお話をいただいたのは、昨秋のことです。今度は全く別の方からのご紹介です。「縁があるとは思えなかった」と言いつつも、三年ぶりに女将さんにお会いすることになりました。  久々に訪ねた宿は、私が記憶しイメージしていた空気とは、ずいぶん違っていました。建物全体から暖かく迎え入れられ、包み込まれ、女将の心も柔らかく開かれていることを感じました。  私は「ここをやらせていただくことになる」「自分に与えられて仕事をありがたく受け入れてやっていこう」とその場でもう心が決まっていました。

 

つくづく私が思うのは、三年という月日の重みです。三年という時間が女将さんの宿に対する愛着に大きな変化をもたらしていました。そして、生来我の強い私が、「女将さんが大事にされてきたものを、大切に受け継いでやっていこう」と、思えるようにしていたのです。

 

いただいたご縁に感謝して。「湯治 柳屋」スタートです。

 

株式会社 サリーガーデン  代表取締役 橋本栄子