湯治柳屋

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励みの言葉

励みの言葉

 

この頃いただいて嬉しかった言葉を集めてみました。

 

「ここには物の所有とは違う贅沢がある。ここが自分の場所であり自分の時間があるという新しい贅沢。」「親しみやすいのに美意識が高く、自分自身の体と心に向き合える場所」。

 これは私が長年憧れていた美容家の方が柳屋について書いくださった文章。十数年前、初めてその方を雑誌で見つけた時には、あまりの美しさとかっこよさに思わずその記事を切り抜きました。自分の理想とする仕事スタイルや生き方を模索している時に見つけた記事で、ずっと大切にしています。

「宿の仕事はいいものだから」と何度も言ってもらっての後継の決心。その醍醐味はここにいながらにして、遠く憧れの人に出会える奇跡も起きることと知り感激してから一年。少しでも近づきたいと思った潔い生き様を、時折、近くで見て感じることができるようになりました。今、私の中には、「鉄輪に上質なスパが欲しい。美と健康の学びの場を作りたい。」という、新たな夢も芽生えています。

 つい数日前、禅宗のお坊さんに、どうしていつも柳屋にお泊まりくださるのかお尋ねした時に、「自然体でいられる」「整っていて余計なものがない」「ニュートラルになる。プラスもマイナスもなく。」というお答えをいただきました。自分の目指していたものをそのお答えから確認することができました。ありがたく心強いことでした。

 

 柳屋のいいところは「自由」なところと言ってくださるお客様がいらっしゃいます。私たちからは、「木造だから静かにお過ごし下さい。大きな声はご遠慮ください、談話室や地獄釜のご使用は9時までで。他のお客様への配慮を・・・」とお願い事が多くて「不自由だろうな、申し訳ないな」と思っているのに。「自由」を感じてくださる不思議。

 でも、「柳屋での滞在がクリエイティブなものとなりますように」ということをいつも願っていますから、そのことを感じとってくださっているのかもしれません。

 

 「来るたびに何かが変わっているね」というお言葉を、お客様からかけていただくことがあります。私たちはいつも、「お客様はどんな過ごし方をされたいのだろう」と想像をしながら、小さな試行錯誤を積み重ねています。それに気づいて喜んでいただける嬉しさ。柳屋のお客様が暖かいのは、きっと私たちのそんな努力を汲み取って、その姿勢に対して応援をしてくださっているからだと感じます。

 まだまだ手探りで未熟です。どうぞ気づいたことや感じたことは忌憚なくおっしゃってください。私たち自身、学び続けて成長していきたいと思っております。

 

 「どこからみても隙がなくて、それでいてやわらかい」

というのは私が仕事を起して十年、いつも厳しく接してくださった方が、久しぶりに訪れた柳屋について表現してくださった言葉。たくさんの苦言はいただいてきたけれど、褒められるのは初めてで本当にびっくりしました。さらに続く労いは「よくここまでやった。血なりなんなりこめられているだろう」と。いえいえ、大丈夫です。血も涙も流していません。冷や汗はいっぱいかきましたし、自分の未熟さに恥ずかしい思いも山ほどしてきましたけど。

 当たり前のことを当たり前にやり続ける。そのことが大変に難しくて、気づきのレベルを上げることが難しくて・・・それでも積み重ねてきた日々には私たちなりの成長があったようです。たくさんの学びの機会をいただいてきたおかげです。

 

 大切な方々からいただいたお言葉を素直に受け止め、そのお言葉を私自身やスタッフの励みとさせていただきたいと思います。

 自分が自分でいてもいいのだという安心感と、目指す方向がぶれていないという手応えをいただき、より確かに意識的に歩んでいくことができそうです。

 

ehko